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HP New face 3.jpg第2版:99%のための経済学入門.jpg  ようこそ、Netizen越風山房へ。ここは、わたしたち99%の平穏な暮らしをエンジョイするための情報発信サイトです。世界第3位の「経済大国」の豊かさはなぜ実感できないのでしょうか。株価と円・ドル相場・1000兆円の累積国債に振り回される経済から脱出しましょう。We are the 99% !! 1人1人が主権者です。この国のあり方は私たちが決めましょう。

拙著『国債がわかる本』(大月書店、2013年5月)のご紹介

 国債は、政府の借金証書(政府債務)であるだけでなく、政府が利子の支払いや元本の償還を保証した第一級の金融商品にほかならない。政府債務としての国債などは、1000兆円を超えて積み上がり、国民一人あたり、830万円もの借金を背負う「1億総債務者」に転落し、消費税増税など重税に苦しんでいる。
 その一方で、金融商品としての国債は、これを購入し、政府の債権者になった国債の保有者(金融機関)に、一般会計予算から22兆円を超えて利子や元本が支払われている。現代日本社会は、政府の保証する国債ビジネスで恩恵を被る金融機関などの投資家層と、現在と将来世代も政府債務の返済に追いまくられる納税者に引き裂かれてしまった。本書は、その背景とメカニズムを平易に解明している。 
「2013年4月5日、新聞各紙の一面トップを飾ったのは、日本銀行が資金供給を2倍にし、国債購入量の制限をなくす記事であった。日本の金融政策は一体どこへ向かおうとしているのだろうか。
長期化する不況のトンネルから脱出できない国で、年間の売買高が「兆」の単位を超え、1「京(けい)」円の活況にわきあがる市場がある。それは、政府の発行する国債を売買する市場である。
 このような天文学的規模の国債売買市場から、数千億円の売買差益を得るごく少数の巨大金融機関もある。巨額のマネーを動かす金融機関や内外の大口投資家にとって、国債売買市場は、長期化する不況と先行き不透明な時代に、確実に大口の利益をもたらす市場になっている。
 国債は、予算が不足したとき、政府が借金によって財政資金を調達するために発行する債務証書(国庫債券=略して「国債」)である。したがって、国債の発行は、政府に債務償還(借金返済)の義務を負わせる。政府債務の償還は、最終的には、国民の税金に依存するので、政府債務が巨額になると、たえず増税圧力となって作用し、新たな財源(消費税など)が導入されるなど、国民負担を増大させる。
 だが、立場を変えると、全く事情は異なる。国債を買い、政府に財政資金を貸しつけた金融機関・投資家は、政府から元本の償還と利子を受け取る権利を手にする。さらに国債価格の変動を利用し、安く買って高く売ることによって売買差益も得ることができる。つまり、国債は、政府(納税者・国民)にとっては償還義務を負う債務証書であるが、民間の金融機関・投資家にとっては、政府によって提供された、その国を代表する金融商品にほかならない。
 財政赤字をファイナンス(資金調達)するために発行された国債は、国民には債務償還の負担を強いながら、政府の債権者になった金融機関・投資家には、政府の保証する新しい金融ビジネスのチャンスと利益を提供してきた。実際のところ、国債市場を舞台にした旺盛な金融ビジネスは、金融機関・投資家に大口の利益を提供しただけでなく、金融システムのあり方にも影響を与え、金融の自由化、規制緩和を促進し、投機的な金融活動に適したシステム改革の推進力となった。
 世界各国で、政府債務の危機が深刻化している。「リーマン・ショック」につづくギリシアの財政危機、さらにユーロ圏や主要資本主義国の危機をもたらした現代のグローバルな政府債務危機の背後には、各国政府の発行する国債をめぐる内外の金融機関・大口投資家の「カジノ型金融資本主義」ともいうべき旺盛な金融ビジネスが存在する。各国の財政危機と国債増発のピンチは、利益を求めてグローバルに活動する巨大な金融機関・投資家にとって、むしろ政府保証の金融ビジネスのチャンスを創り出してきた。
 わが国の場合、21世紀初頭の国債発行残高は、経済規模(GDP)のほぼ2倍の1000兆円にまで累積し、主要先進国のなかで最悪である。その結果、国債を保有する政府の債権者(金融機関・投資家)に対して、毎年の予算(2013年度92.6兆円)から22.2兆円を償還している。わたしたち国民は、1人あたりほぼ1000万円近くの公的な債務をかかえる「1億総債務者」になり、消費税や所得税などを納税することによって、政府の債権者たちの金融ビジネスを支えている。しかも、この公的な債務の償還は長期間にわたり、現在だけなく、将来世代にものしかかる。
 現代日本の経済社会は、なぜ、このような問題を抱え込んでしまったのだろうか、そのしくみや背景を解き明かすことで、解決策も見えてくるにちがいない。」
ーー『国債がわかる本ー政府保証の金融ビジネスと債務危機ー』(大月書店、2013年5月、「はじめに」)より。
目 次
第Ⅰ章 国債ビジネスと政府債務危機
第Ⅱ章 現代資本主義と国債市場
第Ⅲ章 動員される日銀信用と国民の貯蓄
第Ⅳ章 グローバル化する政府債務の危機
第Ⅴ章 一億総債務者と債務大国からの脱却


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