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HP New face 3.jpg第2版:99%のための経済学入門.jpg  ようこそ、Netizen越風山房へ。ここは、わたしたち99%の平穏な暮らしをエンジョイするための情報発信サイトです。世界第3位の「経済大国」の豊かさはなぜ実感できないのでしょうか。株価と円・ドル相場・1000兆円の累積国債に振り回される経済から脱出しましょう。We are the 99% !! 1人1人が主権者です。この国のあり方は私たちが決めましょう。

47. 破綻が表面化したアベノミクスと金融政策

 日本銀行は、9月20~21日の金融政策決定会合で、この3年半の金融政策の「総括的検証」を行いました。「長短金利操作付き量的 ・質的金融緩和」が新しい金融政策として公表されました。従来は「マイナス金利付き量的 ・質的金融緩和」でしたので、名前の中から「マイナス金利」が消えました。
 第一に、「株高円安」をめざすアベノミクスの「第1の矢」を担ってきた金融政策がとうとう限界に逢着しました。「総括的検証」を迫られ、吹かし続けてきたアクセルにブレーキがかかり始めました。マイナス金利は金融機関の預貸金利ざやを縮小させ、銀行業界が反対していました。日銀は銀行業界のニーズに従い「マイナス金利の深掘り」を見送りました。
 第二は、量的緩和を担ってきた日銀の国債買いオペレーション(公開市場操作)の中身に変化を迫られたことです。
 異常とも言える大量国債の買いオペは実に7割に達する日本国債の利回りをマイナス圏(価格は暴騰)に追い込みました。その結果、20年債など、超長期国債もマイナスになる事態が発生し、保険業界や年金運用など安定した長期投資をめざす業界から弊害を指摘されてきました。
 そこで、短期国債などは従来通りのマイナス利回りを継続するが、長期国債は0%台、超長期国債はそれ以上の利回りを達成するために、国債買いオペ額を縮小し、長期金利と短期金利の間に格差を拡大させることにしました。この政策変更も、大口の国債投資家である保険業界と年金業界のニーズに従った結果です。
 これらの変更は、日銀人事に介入し、中央銀行を政権の支配下に置き、例のない超金融緩和政策で「株高円安」を演出し、政権維持をめざしてきたアベノミクスの破綻を物語っています。
 第三は、日本経済がバブル化し、国民負担が今後も長く続く政策となっています。
 「2年で2%の物価高」の政権目標が挫折し、これからは2年の期限を付けない金融緩和を継続することになりました。経済界が必要とする以上のマネーが金融業界や不動産業界に提供されるので、日本経済は、株式市場や不動産市場のバブルの膨張と崩壊を繰り返し、不安定化します。大手ゼネコンの利益はバブル期を上回り、東京都の新築マンションの平均価格は4000万円を超えました。
 他方で、国民の預貯金金利は0・001%(100万円の預金でも利子はわずか10円)に貼り付けられたままで、利子所得の家計から銀行部門への移転が続いていきます。日銀は、国債の高値買いオペで8・8兆円ほどの損失を抱え、国庫への納付金が減額し、その減額分は巡りめぐって国民の負担となります。
 国債が今後も継続的に増発され、1000兆円の政府債務をさらに膨張させる政策の先に聞こえてくるのは、消費税増税を初めとした大増税の足音です。安倍政権を早く退場させることが求められています。


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